RUDY JAPANが参加者募集に協力したインタビュー調査の成果が公開されました


RUDY JAPANが参加者募集に協力した研究(インタビュー調査)の成果が、先日3月19日、国際的な学術誌”PLOS ONE”に発表されました。

この研究は、大阪大学・医の倫理と公共政策学研究室に所属する研究者達によるものです。症状が出てから正しい診断がつくまでの期間(未診断期間)について、遺伝性血管性浮腫(HAE)の患者の方を対象にインタビュー調査が実施されました。

RUDY JAPANは、このインタビュー調査の参加者募集に協力し、RUDY JAPAN登録者のうち「自身が参加できる可能性のある別の研究に関するご案内」を希望されている方宛に、研究実施のお知らせをお送りしていました*。

論文の概要は以下の通りです。

【概要】
大阪大学大学院医学系研究科の大学院生の磯野萌子さん(博士課程)、小門穂招へい准教授(医の倫理と公共政策学/神戸薬科大学 准教授)、加藤和人教授(医の倫理と公共政策学)は、遺伝性血管性浮腫(HAE)の患者に、症状が出てから正しい診断がつくまでの期間(未診断期間)の経験に関するインタビュー調査を実施しました。その結果、治らない症状に患者が長年苦しんでいても、当時の患者や医療者は「診断が難しい疾患(難病・希少疾患)」に罹患している可能性に思い至らず、このために正しい診断を得るまでの年数が長期に及んだ場合があることが明らかになりました。
難病・希少疾患では、正しい診断が遅れるという課題があります。患者は、病名が見つからないまま様々な症状に悩み、多くの医療機関を受診することが知られています。欧米のレポートでは、未診断の年数は平均4-9年とも報告されていますが、この期間の患者の経験を深く分析し、記述的に明らかにする研究はこれまでありませんでした。
今回、研究グループはインタビュー調査により、患者は症状に苦しんでいても、その症状や病院での対応に慣れてしまうことで、積極的に診断を探さないまま苦しむ状態が続く場合があることを明らかにしました。早期に正しい診断をつけられる医療体制の構築に向けて、これまでは「診断が難しい患者」を高度な診断機能を有した病院へ適切に紹介するための施策に注力されてきましたが、目の前の患者が「診断が難しい患者」である可能性に気づくための施策も重要であることが示唆されました。

大阪大学プレスリリース<正しい診断まで平均20年 「実は希少疾患だった」>

また、論文の詳しい内容は以下よりご覧いただけます。

● 論文全文 (英語)
Why does it take so long for rare disease patients to get an accurate diagnosis?—A qualitative investigation of patient experiences of hereditary angioedema
邦訳「希少疾患の患者は、正しい診断を得るまでになぜ長年を要するのか?ー遺伝性血管性浮腫患者の経験の質的分析」

● 日本語での紹介記事
この論文に関するプレスリリースでは、研究結果についてより詳しい日本語の説明がお読みいただけます。(大阪大学の公式HPに移動します)


*RUDY JAPANでは、登録者のうちご案内に同意された方を対象に、ご自身が参加できる可能性のある別の研究をご案内しています。登録者の方はいつでも、ご自身の同意を確認・変更することが可能です。詳しくはこちら(研究への同意の変更について)をご覧ください。